一生に一度 (其の参)

投稿日:2019年10月30日  作成者:結城 晃一郎

南アフリカの勝利となった、ラグビーワールドカップの準決勝。

試合が終わっても熱が冷めない僕らは、スタジアムにしばらく残っていました。すると、ベンチから真っ赤なジャージの一人の選手が出てきて、スタンドに駆け寄ってきます。

ウェールズのダン・ビガー選手。この試合でもキックを完璧に決めた、世界的なスタンドオフです。

客席で家族が観戦していたようで、奥さんと思われる人と何やら話をしています。その後、フェンス伝いに僕らの方向に歩いてきました。

僕は思わず声をかけます。

「Hi,Biggar! Please sign!」

口をついて出たのは恥ずかしいぐらい幼稚な英語。そして僕は横に立つ息子を指さします。するとビガー選手は息子に目をやると「OK!」と笑顔で一言。周囲がざわつく中、息子の首から取ったマフラータオルにビガー選手がサインをしてくれたのです。

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その後僕が渡したペンで何人かにサインをしたビガー選手は、ごめん!というゼスチャーをして残る人たちに詫びると、ピッチの角に走っていきます。フェンスの向こうには、さきほど話をしていた奥さんらしき人。

フェンスが低くなっている場所からヒョイと抱き上げたのは、小さな男の子でした。おそらく1歳半から2歳くらい。きっとビガー選手のお子さんなのでしょう。そしてビガー選手はピッチ内に子どもを連れて行き、芝生の上で遊ばせ始めたのです。

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※RWC公式FBより(PCじゃないとトップに行くようです)

先ほどまで戦場だったピッチがまるで公園に。そこにいたのは一人の父親と笑顔ではしゃぐ子ども。あったかい表情のビガー選手が、とても、とてもかっこよかった。

https://www.facebook.com/rugbyworldcupjp/photos/pcb.2456634391321548/2456632674655053/?type=3&theater

※RWC公式FBより(PCじゃないとトップに行くようです)

ビガー選手のお子さんにとっても一生に一度の経験。そして僕の息子がサインをもらったことも、一生に一度の経験。

でもこうした経験と思い出がレガシーとなり、のちのラグビーを作っていくのだろうなと感じました。現にウチの息子はビガー選手のファンになり、ラグビー大好き小僧になりましたから!見る専門らしいですけどね(苦笑)

改めて、ありがとう!ビガー選手!僕ら親子にとって、最高のラグビー観戦になりました!

さて。

ラグビーワールドカップは残すところたったの2試合!!3位決定戦はビガー選手も出場する「ニュージーランド  VS  ウェールズ」!そして決勝は「イングランド  VS  南アフリカ」!!

いよいよクライマックス!どんなドラマが生まれるのか、じっくりしっかり見届けましょう!!

結城晃一郎

 

一生に一度 (其の弐)

投稿日:  作成者:結城 晃一郎

キックオフされた、準決勝「ウェールズ  VS  南アフリカ」!ヨーロッパの大会で全勝優勝したウェールズ、南半球の大会で優勝した南アフリカという、ワールドカップでしか実現しないような好カード!その試合が日本で、生で観られるなんて興奮しました!!

強豪同士の試合はロースコアの接戦に。

ウエールズ(赤)も南アフリカ(緑)も、選手たちが序盤からガツガツぶつかり合います。

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※Photo by David Ramos-World Rugby via Getty Images

ちょっとのミスでお互いが反則をとられ、ペナルティキックで得点を与えるという拮抗した展開。一見派手さはないものの、両チームのキッカーがすごかった。ウェールズのビガー選手、南アフリカのポラード選手、ともにキックをまったく外さず!芸術的キックの連続に観客も沸きます!しかしトライが見られないまま前半の40分が終了!

ふぅー、と観ていた僕らも一息ついた時でした。ピッチ上に多くのスタッフが。

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注目していると、バケツとシャベルを持ち、ピッチ上のめくれた芝生を補修しはじめたのです!ラグビーは激しいスポーツ。スクラムを組もうものなら16人が32本の足で集中的に芝生を踏みしめます。そうなりゃ芝生が傷むのは必然で。ハーフタイムのこうしたスタッフの頑張りで選手たちも最高の環境で試合ができるんですね。

そして後半のキックオフ!

後半もガッツガツのぶつかり合いは変わらず!しかし南アフリカが先にトライを奪い大きくリード。が、ここからが最高でした!

後半19分過ぎ、ウェールズは南アフリカ陣内に攻め込みます。それが僕と息子が座る席のすぐそば!フォワードが激しく体をぶつけあう音が聞こえます!気迫のプレーに自然と場内は「ゴー!ウェールズ!」の声に包まれます!僕らも腕を振り上げて叫ぶ!「ウェールズ!」「ウェールズ!」

何度も何度も南アフリカのディフェンスにはじかれながら、観客の声援に応えるように攻撃を続けるウェールズ。すると南アフリカがたまらず反則!絶好の位置でペナルティを得ます!

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※Photo by Richard Heathcote-World Rugby via Getty Images

が、ここでなんとウェールズの主将、アラン・ウィン・ジョーンズ選手はスクラムを選択したのです!!絶対にトライを獲る!という宣言ともとれる選択に場内は大興奮!!(通常はいったん蹴り出しラインアウト、もしくはペナルティゴールを狙う)

もちろん南アフリカもその意味は分かっていて・・・案の定スクラムはプレッシャーを受けてまともに組んでいられません。

しかし、ほんの一瞬でした!崩れかけたスクラムからエイトがボールを出し、左にできたわずかなスキを突いて、ハーフからセンターとボールを回し、最後はウイングのアダムス選手が飛び込みトライ!!!!!

それが、僕らの目の前!!目の前のインゴールに飛び込み、トライを決めたのです!!!!!

「わぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」×7万人

全身の毛穴が開くような興奮、叫び、観客の熱狂は、まさに一生に一度の体験でした。。。

試合はポラード選手が決めたペナルティゴールが決勝点となり、南アフリカが勝利。見事、決勝進出を決めました。もちろん南アフリカもすばらしいプレーを連発、最高のチームでしたが、やはり目の前で見せられたウェールズの執念のトライがあまりにすごくて・・・今も思い出すと鳥肌が立ちます。

しかし試合後、またも一生に一度の経験が待っていました。

つづく!

結城晃一郎

 

一生に一度 (其の壱)

投稿日:  作成者:結城 晃一郎

「4年に一度じゃない。一生に一度だ。」

これは、ラグビーワールドカップ日本大会のキャッチコピーです。

ワールドカップが盛り上がり、これまでラグビーに興味がなかった息子がTVにかじりついて試合を見るようになり・・・そして「試合が観たい」と言い出して。その時思い浮かんだのがこのコピー。そうか、一生に一度なんだっ・・・!!

てなわけで、小学生の息子と行ってきました!ヨコハマー!!

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新横浜駅はラグビーに染まり・・・見渡せば外国人だらけ!!ワールドカップらしい雰囲気です。

この時オールブラックスのTシャツを着ていた息子は、ウェールズ人から「Oh! ALL BLACKS! unlucky!!」と声をかけられて。こんな体験、一生に一度。(※前日の準決勝でオールブラックスはイングランドに敗戦)

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道を歩いているとマンホールのフタもこんな感じで。大会が終わったらどこかに展示してほしいくらい、素敵。

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足を運んだのは準決勝「ウェールズ  VS  南アフリカ」の一戦。スタジアム前の記念ボードを持ち、ジャパンのジャージに着替えた息子と写真撮影。これも一生に一度!

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スタジアムに早めに入って歩き回り、写真を撮りまくり。こんな体験、僕にとっても一生に一度!

あっという間に時間は過ぎて・・・選手が入場です。ピッチ上に一列に並び両国の国歌を斉唱します。

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実は、事前にこんな紙が配られます。両国国歌の歌詞カードです。それぞれ母国語の下にカタカナで歌詞が書かれています。といってもメロディーを知らないので雰囲気だけにはなってしまいましたが・・・たくさんのウェールズ、南アフリカの人たちと一緒にスタジアムで歌った国歌は、一生に一度の体験。神聖な気持ちに少し目がうるみました・・・。

キックオフの時間。オーロラビジョンにカウントダウン表示が出て、7万人の観客で埋まったスタジアムからはカウントダウンのコールが。

そして、キックオフされました! 選手にとってはもちろん、僕ら観客にとっても一生に一度の試合が!!

つづく!!

結城晃一郎