南アフリカの勝利となった、ラグビーワールドカップの準決勝。
試合が終わっても熱が冷めない僕らは、スタジアムにしばらく残っていました。すると、ベンチから真っ赤なジャージの一人の選手が出てきて、スタンドに駆け寄ってきます。
ウェールズのダン・ビガー選手。この試合でもキックを完璧に決めた、世界的なスタンドオフです。
客席で家族が観戦していたようで、奥さんと思われる人と何やら話をしています。その後、フェンス伝いに僕らの方向に歩いてきました。
僕は思わず声をかけます。
「Hi,Biggar! Please sign!」
口をついて出たのは恥ずかしいぐらい幼稚な英語。そして僕は横に立つ息子を指さします。するとビガー選手は息子に目をやると「OK!」と笑顔で一言。周囲がざわつく中、息子の首から取ったマフラータオルにビガー選手がサインをしてくれたのです。
その後僕が渡したペンで何人かにサインをしたビガー選手は、ごめん!というゼスチャーをして残る人たちに詫びると、ピッチの角に走っていきます。フェンスの向こうには、さきほど話をしていた奥さんらしき人。
フェンスが低くなっている場所からヒョイと抱き上げたのは、小さな男の子でした。おそらく1歳半から2歳くらい。きっとビガー選手のお子さんなのでしょう。そしてビガー選手はピッチ内に子どもを連れて行き、芝生の上で遊ばせ始めたのです。
※RWC公式FBより(PCじゃないとトップに行くようです)
先ほどまで戦場だったピッチがまるで公園に。そこにいたのは一人の父親と笑顔ではしゃぐ子ども。あったかい表情のビガー選手が、とても、とてもかっこよかった。
※RWC公式FBより(PCじゃないとトップに行くようです)
ビガー選手のお子さんにとっても一生に一度の経験。そして僕の息子がサインをもらったことも、一生に一度の経験。
でもこうした経験と思い出がレガシーとなり、のちのラグビーを作っていくのだろうなと感じました。現にウチの息子はビガー選手のファンになり、ラグビー大好き小僧になりましたから!見る専門らしいですけどね(苦笑)
改めて、ありがとう!ビガー選手!僕ら親子にとって、最高のラグビー観戦になりました!
さて。
ラグビーワールドカップは残すところたったの2試合!!3位決定戦はビガー選手も出場する「ニュージーランド VS ウェールズ」!そして決勝は「イングランド VS 南アフリカ」!!
いよいよクライマックス!どんなドラマが生まれるのか、じっくりしっかり見届けましょう!!
結城晃一郎