2022/01/26

ローカル魂「 アマダブラム 怪峰に惚れた男たち」

「エベレストよりも厳しい山、登るときは必ずお祈りを…」ネパールの山岳地帯を歩くこと3週間、道すがら出会った村人は口々にそう語った。目的地は、呪文のような不思議な名前をもつ山『アマ・ダブラム(6812m)』母なる首飾りと崇められ、ヒマラヤ山脈のなかで最も美しい山容をもつ。この怪峰に心酔し登攀を決意した二人がいる。東根在住の登山家飯澤政人(35)は県内初のK2登頂を達成した実績をもつ。「コロナ禍という困難な時にこそ、この登山を通して社会に前向きなメッセージを送りたい」。数年前、脱サラして登山家として生きる道を選んだ飯澤は、山に対して真摯で実直、アマ・ダブラムへ並々ならぬ覚悟をもつ。一方、飯澤とコンビを組むのが赤坂純友(36)。高校卒業後、手に職をと建設業界に飛び込んだ。職人として腕を磨き一昨年起業し、小さな工務店の社長を務めている。「飯澤くんは山で厳しいからなあ~そう言われたら俺返す言葉ないなあ~」憎めない笑顔と岩手生まれの南部弁が赤坂のトレードマークだ。国内の登山やクライミングは場数を踏んでいるが、海外の山は初挑戦となる。
 標高500mの懸垂氷河、酸素濃度は平地の半分以下、-20度の極寒と強風…。神々しいアマ・ダブラムは死と隣り合わせの美しき地獄が広がっている。飯澤はK2に挑んだ時、仲間を滑落で失った。赤坂はかつて心の病気を患い、山登りに心を癒され再起した経験がある。登山家はそれぞれの思いをアマ・ダブラムに重ね、極限の世界に足を踏み入れていく。



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